MCPは分裂しなかった、A2Aと同じ屋根に入った
今週(8/18〜8/25)、GoogleのA2A(Agent2Agent)プロトコルが、Anthropicが寄贈したMCP(Model Context Protocol)と同じ中立ガバナンス Agentic AI Foundation(AAIF)に合流した。teai.ioはMCPゲートウェイに賭けてきたプラットフォームとして、この統合が 自分たちの戦略に何を変え、何を変えないのかを整理した。あわせて、Anthropicが今週出した「伸びているスタートアップの5原則」を teai/Sente自身の開発にどう当てているかも棚卸しする。
今週の3ニュース
- GoogleのA2AがAAIFに合流(8/20)MCPと同じ中立ガバナンス下に。AAIFはAWS・Google・Microsoft・OpenAI・Anthropicなど250社超が参加する土台になった。
- Anthropic「Claude Codeスタートアップガイド」5原則10社以上への取材から抽出。エージェントを組織に組み込んで成果を出している企業の共通パターン。
- Claude Code、週次リリースへ利用上限+50%を8月末まで延長、fork modeが既定ON、GitLab MR対応など。
AAIF/A2A統合は、teaiのMCP戦略に効くか
結論から言うと、今すぐ何かを作り変える必要はない。ただし「MCPに賭けた」というteaiの前提は、今週で少し確かなものになった。
いまの構成を並べる
teai.ioのMCPゲートウェイ(/mcp/{service})は、KOE・bim.house・JiuFlow・kamishibaiなどを
課金付きで束ね、第三者MCPも受け入れて開発者80%分配まで実装済みだ。teai.io公式CLIエージェントの
SenteはOpenCodeを薄くラップしたクライアントとして、このゲートウェイに「MCPクライアント」として繋がる。
つまり、今のteaiエコシステムは単一のエージェントが複数のMCPツールを呼ぶ、一層構造でできている。 エージェント同士が人間を介さず直接会話する場面 — A2Aの本来の出番 — は、いまのところどこにも存在しない。
4つの読み
| 観点 | 整理 |
|---|---|
| 破壊的影響 | なし。ガバナンス移管であってプロトコル仕様の変更ではない。既存のMCPゲートウェイ・MCPクライアントはどれも無修正で動き続ける。 |
| 追い風 | MCPがAnthropic単独運営から中立財団の管理下に移り、AWS/Google/Microsoft/OpenAIも同じ組織にいる。「MCP経由で課金する」というビジネスモデルの土台が、業界標準として長期的に安定した。 |
| 出番の条件 | A2Aが必要になるのは、複数のMCPサービスが人間を介さず直接会話を始める時。今は単一エージェントが全ツールを呼ぶハブ&スポークで完結しており、その必要が生じていない。 |
| ウォッチ項目 | AAIF傘下でMCPとA2Aの相互運用仕様(例: MCPツールをA2A Agent Cardとして自動公開するブリッジ)が策定されるか。策定されれば、MCPゲートウェイに薄いアダプタを足すだけでA2A圏からも見つけてもらえる可能性がある。 |
「伸びてるスタートアップの5原則」をteai/Senteに当てる
Anthropicが挙げた5原則は、社名をteai/Senteに差し替えてもそのまま読める。すでにできている部分と、次にやることを並べる。
1. Everyone Ships — 全員がシップする
Senteの声モード(te talk / te v)は、コマンドを覚えなくても声で頼むだけでコードが書ける導線。
非エンジニアが直接エージェントに指示を出せることは、CLIの利用障壁を下げる設計そのもの。
2. Automate the Tedium — 定型業務を自動化
MCPツールストアの審査は、SSRFガードや上流のtools/list実疎通チェックなど、機械的に判定できる部分を自動化し、 人間のレビューは「ポリシー上OKか」の判断だけに絞ってある。
3. Trust, but Verify — 信頼しつつ検証
Senteの規律ファイル(sente-rules.md)は毎起動時にエージェントへ注入され、全セッションで一貫した手順を強制する。
MCPツールストアの承認フローも、生トークンではなく管理者権限を2経路で検証する設計に直してある。
4. Build for Rebuilding — 再構築前提で設計
Senteはエンジンをclaude/codex/opencodeで切り替えられる薄いランチャー構成。モデルやプロトコルが差し替わる前提で、 コア側にロジックを固めない設計を貫いている。今回のAAIF/A2Aの読みも、この原則がそのまま効く。
5. Prototype, Dogfood, Productionize
Sente自身がこの原則の実例になっている。開発チーム自身が声モードを毎日使い倒し、そこで見つかったバグ (自問自答ループ、認識精度の問題など)を全部潰してから、初めて公開している。